結婚式などに既婚の親族女性が身につけることが多い「
黒留袖」は地色が黒、濱縮緬や丹後縮緬などの地模様のない縮緬を用い、裾に模様が入っており背中・両後ろ袖・前胸元に合計五つの家紋が入る。黒以外のものは「
色留袖」と呼ばれ、その着用目的などにより五つに限らず三つ紋・一つ紋などの数が少ないものもある。生地も無紋縮緬だけではなく地模様が織り出された紋意匠縮緬や綸子や朱子地を用いる場合もある。留袖は本来既婚女性のものであるが、近年では未婚女性が礼装として着ることがある。これは元々比較的高齢の未婚女性が振袖を着るのがためらわる場合など、こういうときは訪問着を着用するところを比較的控えなものにするため、年齢相応の落ち着きを表わすためということで未婚女性に着られるようになったという経緯がある。
また、宮中では黒は喪の色とされているため黒留袖は用いられず色留袖が用いられている。皇族の方が留袖をお召しの場合や、一般の者でも叙勲などで宮中に参内する場合は色留袖を着用するのが慣例になっている。