ある土地上に土地所有者の許諾を得て木を植えた場合、土地が第三者に売買されれば土地上の木の所有権も同時に移転するのが原則であるところ、木を植えたその人は前所有者による許諾を理由に木の所有権を失わない。前所有者の許諾が木の所有を正当化する「権原」なのである(、を参照)。
国家間の国際条約の領域に関してはその支配を正当化する根本の事である。先占、時効、併合、割譲、征服、添付、征服、等がある。
南樺太を例にすると江戸時代にはロシアと日本との国境線ははっきりとせず、明治政府は
アイヌが住居していたという歴史的権原から
樺太の領有をロシアに主張した。その後
日露戦争となり、
ポーツマス条約が締結され樺太の南半分は日本の領土として認められた。更にその後、サンフランシスコ条約により日本は南樺太に対する権原を含む一切の権利を放棄した。つまり日本の南樺太に対する権原の推移は
ポーツマス条約締結まではアイヌの歴史的権原を保持していて締結後は
ポーツマス条約を権原としていた。その後
サンフランシスコ条約により権原を含める一切の権利を放棄して現在に至る。現在の
南樺太は権原を含む一切の権利を日本が放棄したが、日本とロシアとの講和条約は締結されていないので割譲はされておらず、国際法上は空き地となっている。ロシアとしては日本と講和条約を結び正式に割譲して貰うか戦後の平穏な支配を権原として主張するしかない。