日本の裁判所 wikipedia|無料辞書
日本の裁判所(にほんのさいばんしょ)は、
日本の
裁判所[日本の法令において「裁判所」の語は、]
狭義・広義の2通りに用いられる。狭義の「裁判所」は、
訴訟法上の「裁判所」で、各個の事件について裁判権を行使する合議制又は単独制の
裁判官を指す。広義の「裁判所」は、裁判所法で用いられる「裁判所」で、裁判官のほか、
裁判所書記官・
裁判所事務官・
執行官などの職員をも含む官署を指す。本項目で取り上げる裁判所は、広義の裁判所である。に関して解説する。
◆概説
◇最高裁判所と下級裁判所
高等裁判所には支部を置くことができ(裁判所法22条)、地方裁判所・家庭裁判所には支部または出張所を置くことができる(同31条、31条の5)。
2005年(
平成17年)4月には、
知的財産権に関する事件を専門的に取り扱う裁判所として
知的財産高等裁判所(知財高裁)が、東京高等裁判所の「特別の支部」として設置された。
・最高裁判所:1庁
・高等裁判所:8庁(支部:6庁、知的財産高等裁判所:1庁)
・地方裁判所:50庁(支部:203庁)
・家庭裁判所:50庁(支部:203庁、出張所:77庁)
・*簡易裁判所:438庁
◇司法行政
裁判所を設営・管理する行政作用を
司法行政という。日本国憲法の下では、
最高裁判所規則の制定をはじめとする司法行政を行う権限(
司法行政権)の多くは、最高裁判所以下の裁判所に帰属する(憲法77条1項、80条、78条後段。裁判所法64条、83条1項。)。司法行政事務は、
裁判官会議の議によって行われるのが原則である。
司法行政の監督については、最高裁判所が最高監督権者とされる(裁判所法80条1項)。この監督権は、裁判権に影響を及ぼしたり、制限することはできないと解されている。もっとも、司法行政の実権を握る
最高裁判所事務総局は、裁判官の人事・処遇を通じて、裁判の内容に影響を与えているとする見方もある
[野中ら著『憲法II(第4版)』有斐閣、2006年、232頁。]。
大日本帝国憲法の下では、司法行政権は、行政権の一部門である
司法大臣の監督下にあった。日本国憲法の下では、
司法権の独立を確立・強化するため、裁判所に司法行政権も帰属することとした。
◇特別裁判所と行政審判
日本国憲法では、特別の事件や人を裁判の対象とする
特別裁判所は、設置することができないと定める(憲法76条2項)。この規定は、
平等原則や
司法の民主化、
法の解釈の統一などを、その趣旨とする。なお、家庭裁判所のように、特定の種類の事件を扱う裁判所であっても、通常の裁判所の系列に属する下級裁判所として設置される裁判所は、特別裁判所にあたらないと解されている
[最高裁判所大法廷判決昭和31年5月30日刑集10巻5号756頁]。
また、憲法は「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」とも定めた(同条項)。この規定の趣旨も、特別裁判所の設置禁止と同様である。この点、終審としてではなく前審として行うのであれば、行政機関が裁判(
行政審判)を行うこともできると解釈されている。
独占禁止法に基づく
公正取引委員会の
審決、
国家公務員法に基づく
人事院の
裁定、
行政不服審査法に基づく行政機関の
裁決などは、この例である。
特別裁判所の設置と行政機関による終審は、いずれも
大日本帝国憲法の下では禁止されていなかった。そのため、外地の
法院、
軍法会議、
皇室裁判所などの特別裁判所が存在し、行政事件を専門に扱う
行政裁判所が、特別裁判所あるいは一種の行政機関として設置されていた。しかし、日本国憲法の施行により、すべて廃止されている。
◆最高裁判所
◆下級裁判所
下級裁判所は、法律によって設置された裁判所で、
審級関係ならびに司法行政上の関係において、最高裁判所の下位にある裁判所の総称である。
高裁には支部を置くことができ、地裁・家裁には支部または出張所を置くことができる。なお、現在置かれている地裁・家裁の支部はすべて地家裁支部とされ、出張所は家裁出張所とされている。
◇東京高等裁判所管内
高等裁判所1(知財高裁1)、地方裁判所・家庭裁判所11(地家裁支部45、執行センター1、家裁出張所16)、簡易裁判所107(分室1)