そして、信仰の対象とは別に
天皇大帝という名の星座も存在した。『開元占経』 の「巻69 甘氏中官占」 に見える
[大崎正次 (1987) 48頁。]。『
晉書』 「天文志」 には 「口中一星を天皇大帝と曰(い)ふ」 という記述がある。この 「口中」 は、天帝の後宮で天帝の住まう紫微宮(しびきゅう)を護衛する
[大崎正次 (1987) 153頁。]勾陳(こうちん)という星座で、その第二星(こぐま座δ星、4等)・第一星(同α星・ポラリス、2等)・第五星(
ケフェウス座 [外部リンク] HD5848、4等)・第六星(同
[外部リンク] HD217382、5等)で描かれる四辺形のことを指しており、天皇大帝はその中にある5等星(同
[外部リンク] HD212710)である
[これらの星の現行星との同定は 『欽定 儀象考成』 所載の星表のデータに対して土橋・シュヴァリエおよび伊が行ったものである。(大崎正次 (1987) 297頁。)]。『和漢三才図絵』 でも天皇大帝は 「口」 の中に当たる位置に記されているが、この図はかなり不正確なので注意が必要である。なお、オランダの東洋学者
シュレーゲルは、こぐま座α星を天皇大帝と同定している
[飯島忠夫 補訂 『支那古代史論』、恒星社厚生閣、1941年、第1圖。]。ただし、大崎によれば、シュレーゲルによる同定は 「第一級の資料とは認められない」 とのことである
[大崎正次 (1987) 295頁。]。