政治思想の概念としては、1人の人間が終身で支配する政体を指す。歴史上のほとんどの事例がこの定義に収まるが、例外もある。現代でも
マレーシアや
サモアは任期制の君主国である。君主制は多くの場合、特定の一族の世襲によって君主の地位が受け継がれる(特定の一族による君主の地位の継承の連続を
王朝と呼ぶ)が、歴史上では一族の世襲によらない地位の継承も行なわれた(
マムルーク朝など)。現代でも、
バチカン市国は一族の世襲によらない君主の地位の継承が行なわれている。歴史学では、君主制のうち君主の権力が制限されない政体を
絶対君主制(
専制君主制)と言い、憲法によって制限される政体を
立憲君主制と言う。
近代以降、徐々に後者の形体を持つ国家が増加していき、絶対君主制を敷く国は現在では数える程しかない。また、時を同じくして君主制を敷く国家そのものも減少していった。
政治分析の基礎概念として君主制をとりあげ、他の政体と区別して論じたのは、君主を持たない
ポリスが多数あった
古代ギリシアの思想家である。君主制の国がほとんどを占めていた地域では、君臣の関係のような限定的問題を越えて、君主制を国家一般と別に把握する動機が生まれなかった。近代になって、君主制が共和主義者によって脅かされるようになると、ギリシア・
ローマの伝統を復活させて君主制を論じる政治思想が登場した。