民事訴訟法学者で東京帝国大学教授や中央大学学長等を務めた
加藤正治の弟子にして娘婿。行政法学者で東京都立大学名誉教授の
兼子仁は長男、心理学者で雇用促進事業団職業研究所長や早稲田大生産研教授等を務めた
兼子宙、
真珠湾攻撃に第一次攻撃隊として出撃した
兼子正は弟。娘婿に弟子の民事訴訟法学者で一橋大教授や法制審議会会長等を務めた
竹下守夫がいる。
兼子は、日本における民事訴訟法学の独自性の基礎を築いた人物である。兼子は、民事訴訟の目的を紛争の解決にあるとして上で、
訴権論については、紛争の解決は裁判所が本案判決によって実体法上の権利義務の存否を明らかにすることによって達せられるとして本案判決請求権説をとり、
訴訟物については、
実体法上の
請求権を基準に律する旧訴訟物理論・実体法説をとり、
立証責任の分配については、実体法の条文を基礎に決定する法律要件分類説をとり、
既判力の本質については、実体法説・具体的法規説をとって矛盾なき統一的な法解釈と理論的に精緻な体系を完成した。民事訴訟学の
通説の大半は未だ兼子一の説に拠る。